所得税の居住者と非居住者の区分
所得税上、居住者か非居住者かを判断する基準は、以下のいずれかを満たすかどうかということです。満たせば居住者、満たさなければ非居住者です。
・日本国内に「住所」を有する
・現在まで引き続いて1年以上居所を有する
条件自体は単純ですが、この住所や居所といった言葉の解釈で居住者に該当するか非居住者に該当するか迷うケースも多いです。
所得税法の「住所」とは客観的な事実で判断するとなっています。住基法で住民票登録しているから居住者というわけではないということです。同じ「住所」という言葉を使っていますが、所得税法と住基法では扱いが大きく異なります。
日本ではこの住所の認定について日数などの明確な基準は設けられておらず、住居の有無・職業・資産の所在地・親族の居住状況・国籍・国内滞在日数などから個別に判断するというスタイルが採られています。例えば海外居住が200日程度あるケースで日本よりも海外に滞在する日数が多かったとしても、家族は日本に住んでいるといったケースでは単に出張が多いだけで出張先が海外に過ぎないということで日本の居住者扱いになる可能性があります。
このように日本では居住者か非居住者かを判断するための「住所」の有無についてはケースバイケースでの判断となります。
国際課税の183日ルールとは
国によっては1年の半分超つまり183日間を海外で過ごせば居住者か非居住者かをデジタルに判断する国もあります。
この183日ルールで居住者か非居住者を判断する主な国としては以下の通りです。
・アメリカ合衆国
・イギリス
・オーストラリア
・カナダ
主に英米系の国で採用されている考え方といえます。
ただし、このルールも租税条約の有無などによって変わってきます。
また、海外在住の役員については、もし租税条約を締結している国に居住している場合、上記のようなルールに関わらず日本での課税になる場合があります。
具体的な適用方法や例外規定は国ごとに異なりますので、居住している国の具体的な税法や実務的な取り扱いを確認しておくことが重要です。
この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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