会社設立する場合、生活できるだけの稼ぎをあげるのであれば税理士の顧問契約は必須といえます。
また、従業員を雇うようになると、顧問社労士も必要となります。
昔は、「労使対等」なんて言葉はただの謳い文句のようなものでしたが、今では、未払い残業代の請求をはじめ、パワハラやセクハラでの訴えなど労働力の不足に合わせて、経営者と労働者のパワーバランスも随分均衡してきました。これは、特に人材確保が難しい中小企業において顕著です。雇用契約をはじめ、給与計算の正確性や退職手続きなど顧問社会保険労務士を付けることで、適法性を確保しておかなけれななりません。
中小企業の経営者が悩むことは大きく分けて2つしかありません。
①カネ
②ヒト
カネについては、売上や当社の融資サポートなど経営者自身の問題に帰属させることができますが、ヒトは従業員という相手がいる以上、経営者一人でコントロールできるものではありません。
実際に当社のクライアント様に起こったことを2件ご紹介します。
ケース1
飲食店で、動きの悪い従業員に対して、店長が「もう来なくてもいい!」と怒鳴ったところ、2か月間音信不通となりました。
お店も、もう辞めたものと思い込んでいましたが、2か月後、会社都合で自宅待機を命じられたとして、労働基準法に基づく休業手当の支払い請求がありました。
正式に退職の手続きを取っていなかったため、やむを得ず請求額約40万円を支払うことになりました。
ケース2
運送会社で、社長が目をかけている社員がうつになり、退職することになりました。社長は、将来は取締役として迎え入れて、経営にも携わってもらおうとして期待していた人でした。しかし、その期待が強く、過剰な勤務やサービス残業が続いた結果、退職するまでの3年間で約1,000万円の未払賃金請求を受けました。
結果は和解して、最終的には700万円を支払うことで落ち着きました。
この2点のケースからわかることは次の2つです。
①労務問題は、会社の存亡にもかかわる
ケース2のように、未払賃金の問題は、多額のキャッシュアウトが生じることがあります。その結果会社の資金がショートしてしまうだってあり得ます。幸いこの会社は内部留保で何とか凌ぎましたが、従業員の立場からすれば、退職する以上、会社がどうなろうと知ったことではありません。労働基準法などの法律に基づいた正当な請求である以上、会社としても逃れることはできません。
また、時間をかけて行った教育も全てムダに終わります。中小企業では、引き継ぎのルールだって決まっていないことが多いので、人を採用しても、また一から教えることになります。
②経営者と従業員の考え方には大きく隔たりがある
どれだけ仕事で信頼できる従業員でも、やはり経営者と被用者では考え方に大きく隔たりがあります。もちろん、経営者は従業員を信頼して、業務を任せる必要があります。これは余剰人員を抱えない中小企業では、特に重要です。しかし過剰に負荷をかけすぎることで、足元をすくわれることも意識しなければなりません。
こうしたケースも顧問社労士に随時相談しておけば、防げた事例です。
きちんと雇用契約書を交わしていれば・・・
きちんと時間を管理して、記録に残しておけば・・・
きちんと退職手続きをとっておけば・・・
問題が起きてからでは遅いのです。従業員との紛争は年々増加の一途をたどっています。
だからこそ、起業家支援でノウハウがあり、採用から退職までさまざまな経営者の悩みを聞いてきたV-Spiritsグループに社会保険労務士顧問もお任せください!