合同会社の設立件数が増加しているためか、合同会社から株式会社への組織変更を登記を当事務所でサポートすることも年々増えてきました。
そこで今回は合同会社から株式会社への組織変更で変わることや変わらないことを簡単にまとめてみました。
法人番号は変わらない
組織変更は、税法上は商号変更として扱われます。そのため、国税庁が指定している13桁の法人番号はそのまま引き継がれることになります。
また、登記上の「会社法人等番号」についても変わりません。
税法上の取り扱いは変わらない
例えば、青色申告の承認や欠損金の繰越についてもそのまま引き継がれます。組織変更は、新たに法人を立ち上げたわけではなく商号変更の扱いになるので、組織変更の前後で法人格としては同一法人として扱われます。
法人税などの税金についても株式会社と合同会社で変わることは何らありません。ただし、組織変更に伴って、商号や代表者の肩書(代表社員から代表取締役)が変わりますので、その旨の異動届出書を税務署や都道府県、市町村に提出する必要があります。
登記記録は新たに作成される
組織変更は、登記上は合同会社が解散して新たに株式会社の登記記録が作成されるという流れになります。組織変更は、登記上は単に商号が変わるだけでなく、取締役や代表取締役が新たに記録されますし、発行可能株式総数や発行済株式数も記録されます。逆の見方をすれば、組織変更に伴って登記記録でそのまま引き継がれるのは合同会社の資本金と本店所在地くらいです。
法人格が変わるというわけではありませんが、登記上は新たな記録が作成されるということです。ちなみに、登記記録は新たに作成されますが、会社法人等番号は従来のものが引き継がれます。
印鑑カードは新たに作成される
合同会社から株式会社への組織変更に伴って、印鑑カードも法務局で新たに作成する必要があります。登記記録が新たに作成されるということは、登記記録に紐づく印鑑カードも新たに作成しなければならないということです。
これは、従来の合同会社の印鑑をそのまま株式会社でも使用するという場合でも同じです。(株式会社化したからといって、印影に「株式会社」の文字が書いてなくても会社実印としての登録は可能です。)組織変更に伴って、合同会社時代に使用していた印鑑カードは使用できなくなります。手元に残しておくと混乱のもとになりますので、法務局に返却するなどして合同会社時代の印鑑カードは手元に残らないようにしておきましょう。
この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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