未成年者でも取締役に就任できる
未成年者、つまり18歳未満の者でも法定代理人の同意を得れば取締役に就任することができます。
未成年者については、民法上以下のように規定されています。
(未成年者の法律行為)
民法 第5条 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。
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法律行為とは、出資をするとか取締役に就任するなど、何かしらの権利を発生させたりする行為です。取締役に就任するには、株式会社との間で委任関係が発生することになります。
そのため、未成年の場合は株式会社の役員に就任する場合には法定代理人(親権者や未成年後見人)の同意があれば出資することが可能です。
未成年者自らが会社を設立して(代表)取締役になる場合のほか、すでに存在している会社の取締役に就任する場合も同様です。
未成年者が取締役に就任するには、法定代理人の同意が必要です。法定代理人については両親ともに健在であれば両方の同意(離婚している場合は親権をもつ親の同意)が必要です。
同意書 未成年者 住所:東京都千代田区千代田1ー1ー1 氏名:山田 太郎 私は、上記未成年者が、株式会社ABCの取締役に就任することに同意します。 2022年1月1日 親権者 住所:東京都千代田区千代田1ー1ー1 氏名:山田 一郎 (実印) 住所:東京都千代田区千代田1ー1ー1 氏名:山田 花子 (実印) |
ただ、同じ未成年者といっても、17歳と6歳では自らの考えに基づいて意思表示する能力(意思能力)に大きな差があります。そのため意思能力が認められない年齢の未成年者については取締役に就任することはできません。
また、対外的に会社を代表する代表取締役については14歳未満の者がなることはできないとされています。これは後述の印鑑証明書の観点からも同じことが言えます。
この場合、法定代理人であることを証明するために、親子関係が分かる戸籍と親権者の印鑑証明書の添付が必要となります。
未成年者の印鑑証明書
会社の取締役の就任登記を行うには、その者の印鑑証明書を法務局に提出する必要があります。ということは、未成年者の印鑑証明書が必要となる場合、その発行可能年齢(15歳)になるまでは取締役に就任することができないということになります。
取締役会を設置しない株式会社 | 取締役の登記に印鑑証明書が必要 |
取締役会を設置する株式会社 | 代表取締役の登記に印鑑証明書が必要(取締役のみの場合は不要) |
合同会社 | 業務執行社員の登記に印鑑証明書は不要(印鑑を届け出る代表社員のみ |
合同会社では代表社員に就任する場合でも法務局に印鑑を届け出る代表社員でない限りは印鑑証明書は会社設立の手続きの上では不要です。ただし、未成年者である以上、合同会社でビジネスを行うことについて法定代理人の同意は必要なのは株式会社と同様です。
この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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