コラム

未成年者でも会社設立ができる!必要な書類は?

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未成年者でも会社の役員になれる

未成年者、つまり18歳未満の人でも会社を設立できますし、取締役などの役員に就任することができます。16歳がアルバイトしてよいのであれば、会社を設立して働いてもよいでしょう。

それでは年齢がどれだけ低くても会社を設立したり、役員に就任できたりするのかといえばそういうわけではありません。

まずあるのが印鑑証明書の発行を受けられるか問題です。株式会社を設立するには発起人が必要です。発起人は定款認証するために印鑑証明書が必要となります。自治体にて印鑑の登録ができるのは、15歳以上となっています。つまり、15歳以上であれば印鑑証明書を取得して発起人になることができます。

ちなみに、合同会社であれば必ずしも印鑑証明書が必要というわけではないので、15歳未満でも株式会社よりは会社設立しやすいといえます。

親が役員になって子を雇用する方法もある

15歳未満の人が会社設立するには、もう一つの方法が、親が会社を設立して、その会社の従業員として働くということです。親が会社を設立することが、勤め先などでの許可制になっているなどの事情がなければ、経営を親がモニタリングすることもできますし、有効な手段と言えます。その後、子が印鑑証明書を取得できる年齢になったら、親と役員を交代することもできます。

未成年者の役員就任と民法

未成年者が会社設立するにあたって、印鑑証明書の件のほかに、もう一つ考慮しなければならないのが民法の規定です。

民法 第5条
  1. 未成年者が法律行為をするには、その法定代理人の同意を得なければならない。ただし、単に権利を得、又は義務を免れる法律行為については、この限りでない。

法律行為とは、契約など権利を発生させたり消滅させたりといった行為などを指す抽象的な概念ですが、会社を設立することや、取締役などの役員に就任すること(つまり会社との間の委任契約)も法律行為の一つです。「同意」を得なければならないとなっていますので、会社設立の際にも法定代理人(親や未成年後見人)の同意があったことを証明しなければいけません。

そのため、会社設立時には、未成年者が役員に入る場合には通常の添付書類のほかに、
1)
親の同意書
2)
親の印鑑証明書
3)
戸籍などの添付が必要になります。

同意書のフォーマットは特に指定されていませんが、子が会社の役員になることについて、親が同意したことが分かればOKです。同意書には実印を押印して、さらに印鑑証明書を添付することで実際に親が同意したことを証明します。

両親が婚姻中は、法定代理人は両親です。片方の親だけの同意では足りません。もし離婚していれば、親権を持つ親の同意だけが必要です。

同意書

未成年者

住所:東京都千代田区千代田1ー1ー1

氏名:山田 太郎

私は、上記未成年者が、株式会社ABCの取締役及び代表取締役に就任することに同意します。

2022年1月1日

親権者

住所:東京都千代田区千代田1ー1ー1

氏名:山田 一郎  (実印)

住所:東京都千代田区千代田1ー1ー1

氏名:山田 花子  (実印)

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この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

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