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国外源泉所得とは?国外源泉所得の具体例は?

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国外源泉所得とは?

海外在住の人が日本国内で個人事業を行う場合には、まずはその人が所得税の課税上、居住者と非居住者のいずれに該当するのかということを判断する必要があります。そして、その人が居住者に該当するといった場合には、その人が永住者か非永住者のいずれに該当するのかということを判断します。

そして、非永住者に該当すると、所得税の課税範囲がやや複雑になります。非永住者の所得税の課税範囲は以下の2つで構成されます。

1)国外源泉所得以外の所得
2)国内で支払われるか、外国から送金された国外源泉所得

ここで「国外源泉所得」という言葉が使用されます。国外源泉所得は、国内源泉所得とまったく逆の概念なので、いくつか例外がありますが、基本的には国内源泉所得の「国内」を「国外」に置き換えるだけです。国外源泉所得とは、日本国外の恒久的施設(PE)を通じて事業を行う場合のその施設に帰属する所得、その他国内に収入の源泉がある所得をいいます。あくまで日本国外で稼いだお金かどうかということで判断し、支払が行われたのが国外か国内かということは国外源泉所得かどうかを判断する上では関係ありません。

ただし、国外源泉所得に該当したものでも、日本国内で支払われるか、外国から国内に送金されたものについては、非永住者の所得税の課税対象となります。どのように支払われたかということで国外源泉所得を判断するわけではありませんが、日本で課税される国外源泉所得かどうかを判断するには支払われた方法も関係してくるということです。

国外源泉所得の具体例

具体的に国外源泉所得に該当するのは次の17種類の所得です。

内容
1 恒久的施設帰属所得
2 国外にある資産の運用または保有により生ずる所得
3 国外にある資産の譲渡により生ずる所得
4 国外で行う人的役務の提供を事業とする者の、その人的役務の提供に係る対価 非永住者が日本国外の会場で行った講演やセミナーなどの収入
5 国外にある不動産や不動産の上に存する権利等の貸付けにより受け取る対価 非永住者が所有する日本国外にある不動産の賃料
6 日本の国債、地方債、内国法人の発行した社債の利子、外国法人が発行する債券の利子のうち恒久的施設を通じて行う事業に係るもの、国外の営業所に預けられた預貯金の利子等
7 内国法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配等
8 国外で業務を行う者に貸し付けた貸付金の利子で国外業務に係るもの
9 国外で業務を行う者から受ける工業所有権等の使用料、またはその譲渡の対価、著作権の使用料またはその譲渡の対価、機械装置等の使用料で国外業務に係るもの
10 給与、賞与、人的役務の提供に対する報酬のうち国外において行う勤務、人的役務の提供に基因するもの、公的年金、退職手当等のうち居住者期間に行った勤務等に基因するもの
11 国外で行う事業の広告宣伝のための賞金品
12 国外にある営業所等を通じて締結した保険契約等に基づく年金等
13 国外にある営業所等が受け入れた定期積金の給付補てん金等
14 国外において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約等に基づく利益の分配
15 国外事業に係る国際運輸業所得
16 租税条約によって相手国にて課税できる所得
17 その他の国外源泉所得

 

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

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