コラム

合同会社の資本金や資本剰余金、利益剰余金の管理

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合同会社は、株式会社のように不特定多数の株主からお金を集めるのではなく、出資者兼経営者である社員による人的結合を重視した会社のスタイルです。もちろん一人で出資して一人で代表になる「一人会社」のスタイルである合同会社も数多くありますが、社員が複数人いる合同会社では、業務の対価としての社員への給与(役員報酬)の支払いも生じますが、それとは別に毎年の利益についても各社員に分配する必要があります。

合同会社での利益分配の方法については会社法で以下のように定められています。

(社員の損益分配の割合)

会社法 第622条 損益分配の割合について定款の定めがないときは、その割合は、各社員の出資の価額に応じて定める。

このように、定款に特段の定めがなければ合同会社の各社員への損益分配は出資比率での分配ということになっています。

こうした合同会社の損益分配について株式会社と大きく異なる点があります。それは、合同会社では実際のキャッシュでの支払いが行われるかどうかは別として、各社員への損益分配は決算ごとに行われているということです。

例えば、社員AとBがそれぞれ60と40の出資をしている場合で、決算で200の利益が出た場合、実際にその利益を合同会社から各社員A,Bに支払うかどうかは別として、その利益はAに120、Bに80の分配が行われているということです。(定款に損益の分配について別段の定めがある場合はその比率で分配)

株式会社であれば株主総会で決議されて配当という形で株主に還元されて初めて株主のお金ということになりますが、合同会社では決算ごとに損益の分配が行われて、それが実際に払い出されるかどうかは別として蓄積した利益剰余金はいずれかの社員のものということになります。

このように、合同会社では常に資本金・資本剰余金・利益剰余金についてどの社員に帰属するものなのかということを把握しておく必要があります。そのため、例えば別の表を作って管理したり、会計ソフトの補助科目機能などを使って社員ごとの帰属額を個別に計上したりといった管理が必要となります。

当事務所では合同会社を複数人で設立する方のための定款の作成やアレンジなど、合同会社の設立サポートを幅広く行っています。お気軽にご相談ください!

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

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