株主であることを証明するには?
一人で出資して会社設立するのであれば、自分がそのまま株主になるわけですので、だれが株主で、何株保有しているかといったことを管理したり、証明したり機会はほとんどないかもしれません。
しかし、エンジェル投資家など外部から出資を受け入れて株主が増えてくるとそうはいきません。誰が何株持っているかということは、株主名簿でしっかりと管理していく必要があります。これは実務上も必要ですし、会社法でも株主名簿の作成は義務付けられています。
しかし、この株主名簿はあくまで社内に備え付けておくものです。とある株主から、「自分が株主であることの証明がほしい」と言われても株主名簿には、その他株主の住所なども掲載されているので、株主名簿そのものを提供するわけにはいきません。
それではどのような書類で株主であることを証明すればよいでしょうか?
株主の証明として「株主名簿記載事項証明書」を交付すればよい
株主であることを証明する方法として、会社法では、以下のように定められています。
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つまり、株主名簿の内容について、その株主の箇所だけを抜粋して交付すればよいということになります。書面での交付であれば代表取締役の署名または記名押印、PDFなどの電子データで渡す場合は代表取締役の電子署名を付ける必要があります。書類に電子署名するには、電子署名できるように環境を整える必要があるので、通常は署名か記名押印して書面で渡すことになります。
書類のタイトルは特に法定されていませんが、「株主名簿記載事項証明書」というタイトルで作成することが多いでしょう。
株主名簿記載事項証明書の様式
株主名簿記載事項証明書は株主名簿の抜粋です。そのため、以下のような形で作成すればよいでしょう。
株主名簿記載事項証明書 貴殿の所有している当会社の株式については、以下の通りであることを証明する。
2022年4月1日 株式会社ABC 代表取締役 佐藤 一郎 印(または署名) |
株主から、自社の株主であることの証明書を請求されたら、上記のような形で書面を交付すれば問題ありません。
ちなみに、こうした株主名簿記載事項証明書の交付については、有償・無償いずれでも大丈夫です。とはいえ、多くの会社では無償で行っているケースが多いです。この証明書を交付しないと、会社法上の「過料に処すべき行為」として、罰則の対象にもなりますので、注意しましょう。
この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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