会社を設立する際には、だれがいくら出資するかということを必ず決めなければいけません。株式会社であれば出資者は株主、合同会社であれば社員となります。
そして、会社にとって出資を受けたお金は資本金などとして、会計上扱われます。
出資された金額については、株式会社であれば資本金や資本準備金、合同会社であれば資本金や資本剰余金として計上されることになります。
ここでよく尋ねられるのが、資本金はそのままの金額を開設した会社名義の口座に入れる必要があるのかということです。確かに出資金は会社の元手となるお金なので、その金額を会社の口座に入金する必要があるように思えます。
しかし、実際には、会社の口座ができる前に出資金を会社のために使うということは往々にしてあります。代表的なものは会社設立のための費用だったり、オフィスを借りるための契約金だったりです。
こうしたものは全て会社のために支出するものです。極端な話、会社口座が出来上がることには、資本金は全て支出してしまっているということもあります。しかし、会社のために使ったのであれば、それは正当な行為で、何ら問題ありません。
結論としては、すでに会社のために使ってしまった金額については、会社の口座ができた後でも入金する必要はないということです。というより、すでに使ってしまったお金は入金のしようがありませんし、会社口座の開設が終わるまで出資金は使えないということだと、事業開始までの動きが著しく制限されてしまいます。
その逆に、手元に出資された金額が残っていれば、会社口座ができたら速やかに入金しましょう。会社の資本金を個人口座で保管しておくと、会社の試算表などで、別段預金や未収入金の科目で残ってしまうことになります。
この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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