コラム

発起人の決定が必要な事項まとめ

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発起人全員の同意や過半数の一致が必要な事項

会社を設立する際には、発起人が決定する事項もいくつかあります。内容に応じて、発起人全員の同意が必要な事項や、過半数の一致が必要な事項に分かれています。

どのような事項で、どれだけの発起人の同意が必要なのかをまとめました。

発起人全員の同意が必要な事項

発起人全員の同意が必要な事項は、会社法で以下のように定められています。

 

会社法 第32条

発起人は、株式会社の設立に際して次に掲げる事項(定款に定めがある事項を除く。)を定めようとするときは、その全員の同意を得なければならない。
1 発起人が割当てを受ける設立時発行株式の数
2 前号の設立時発行株式と引換えに払い込む金銭の額
3 成立後の株式会社の資本金及び資本準備金の額に関する事項

会社法 第37条
  1. 発起人は、株式会社が発行することができる株式の総数(以下「発行可能株式総数」という。)を定款で定めていない場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、定款を変更して発行可能株式総数の定めを設けなければならない。
  2. 発起人は、発行可能株式総数を定款で定めている場合には、株式会社の成立の時までに、その全員の同意によって、発行可能株式総数についての定款の変更をすることができる。
  3. 設立時発行株式の総数は、発行可能株式総数の4分の1を下ることができない。ただし、設立しようとする株式会社が公開会社でない場合は、この限りでない。

発起人の議決権の過半数の一致が必要な事項

発起人の議決権の過半数の一致が必要な事項は、会社法で以下のように定められています。

会社法 第38条

  1. 発起人は、出資の履行が完了した後、遅滞なく、設立時取締役を選任しなければならない。
会社法 第40条
  1. 設立時役員等の選任は、発起人の議決権の過半数をもって決定する。
  2. 前項の場合には、発起人は、出資の履行をした設立時発行株式一株につき一個の議決権を有する。ただし、単元株式数を定款で定めている場合には、一単元の設立時発行株式につき一個の議決権を有する。

上記のほか、設立時会計参与、設立時監査役、設立時会計監査人を設置する場合は、これらの選任も発起人の過半数の一致によります。

このほかに、会社法には定めがありませんが、以下の事項も発起人の過半数の一致によるものとされています。

・本店の具体的な住所の決定(定款で定める場合を除く)

・支店を設置する場合の支店所在場所の決定

・株式名簿管理人の選任

・支配人の選任

・特別取締役による議決の定めを設ける場合の特別取締役の選定

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

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