合同会社では資本金を減少できるケースは以下の3つです。
損失のてん補のため | 無償減資 |
出資の払戻しのため | 無償減資 |
持分の払戻しのため | 有償減資 |
上記のケースで実行できる合同会社の資本金の減少ですが、資本金減少の効力発生日はいつになるのかについてまとめました。
合同会社が資本金の減少を実行するにはいくつかのプロセスがありますが、条文上は以下のように規定されています。
(債権者の異議) 会社法 第627条合同会社が資本金の額を減少する場合には、当該合同会社の債権者は、当該合同会社に対し、資本金の額の減少について異議を述べることができる。 2 前項に規定する場合には、合同会社は、次に掲げる事項を官報に公告し、かつ、知れている債権者には、各別にこれを催告しなければならない。ただし、第二号の期間は、一箇月を下ることができない。 一 当該資本金の額の減少の内容 二 債権者が一定の期間内に異議を述べることができる旨 (中略) 4 債権者が第二項第二号の期間内に異議を述べなかったときは、当該債権者は、当該資本金の額の減少について承認をしたものとみなす。 (中略) 6 資本金の額の減少は、前各項の手続が終了した日に、その効力を生ずる。 |
このように、資本金の減少の効力発生日は「債権者保護手続きが終了した日」と規定されています。
それでは債権者保護手続きが終了した日というのはいつになるのかということです。
債権者保護手続きは以下の2つの内容で構成されています。
1)官報公告
2)確認できている債権者への個別の催告(または日刊新聞か電子公告での催告)
このうち、最も満了日について不明確なのが個別の催告のパターンです。個別の催告については催告書が相手方にいつ到達したかが分からないため、そこから1か月という日付を明確に確認することができません。
しかし、この点については、民法上以下のように規定されています。
(意思表示の効力発生時期等) 民法 第97条意思表示は、その通知が相手方に到達した時からその効力を生ずる。2相手方が正当な理由なく意思表示の通知が到達することを妨げたときは、その通知は、通常到達すべきであった時に到達したものとみなす。 |
いつ到達したから分からなければ、「通常到達すべき時」に到達したものとみなせばよいということです。速達であれば翌日、普通郵便であれば郵送先にもよりますが翌々日から3日後が通常到達すべき時です。
もう一点、個別の催告で通知する期間は「1か月を下回ることができない」となっていますが、1か月以上とすることはできます。このため、通常到達すべき日から1か月以上の期間を指定しておけば、その日に減資の効力が発生するということになります。一般的には、個別の催告の異議申立期間の最終日は催告書に記載しておきますので、その日をもって合同会社の資本金減少の効力発生日とすることが一般的です。
当事務所では、合同会社の資本金減少の手続きについて、債権者保護手続きから登記申請までをワンストップで対応しています。お気軽にご相談ください!
この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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