合同会社から株式会社への組織変更と役員構成
合同会社から株式会社への組織変更に伴い、経営陣も業務執行社員や代表社員から、取締役や代表取締役に名称が変わります。これは単純に名称が変わるだけではなく、会社との関係も変化します。
合同会社の業務執行社員は出資者そのものであり、合同会社との間で委任契約を結んでいるわけではありません。一方、株式会社の取締役や監査役は会社との間では委任契約になります。そのため、株式会社の役員に就任するにあたっては就任承諾が必要になります。
合同会社から株式会社への組織変更を行う場合、多くのケースでは代表社員や業務執行社員がそのまま代表取締役や取締役にスライドすることが多いですが、中には組織変更によって新たに取締役や監査役に就任するケースもあります。このように従来の経営陣がそのままスライドする場合も、組織変更に伴って新たに取締役などの役員を迎え入れる場合も、いずれにしても就任承諾が必要です。もともと合同会社の代表社員をやっていたから、そのまま組織変更後の株式会社の代表取締役になるというわけではないということです。
法人の業務執行社員のケース
合同会社では、法人が業務執行社員になっていることがあります。合同会社の業務執行社員が、無条件にそのまま株式会社の取締役になるというわけではないので、法人の業務執行社員だからといって特別なことはなく、そのまま業務執行社員を外れるだけということになります。職務執行者が定められていても、その職務執行者を取締役にする必要はありません。法人の業務執行社員がそのまま株式会社化した後も経営に参画したければ新たに取締役を任命する必要があります。もちろん職務執行者を取締役に就任させても問題ありません。
組織変更に伴う役員関係の登記
株式会社で新たに取締役に就任する場合は、登記の際に就任承諾書に実印を押印して、個人の印鑑証明書が必要です(取締役会がない場合)。これは合同会社が株式会社に組織変更する場合でも同じです。業務執行社員が取締役にスライドする場合も、新たに取締役を迎え入れる場合でも、取締役として就任する以上は印鑑証明書が必要となります。
組織変更の登録免許税は6万円ですが、役員構成を変更しても別途役員変更の登録免許税はかからず組織変更の登録免許税の枠内で変更することができます。
この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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