コラム

2022年1月1日から定款認証手数料が引き下げられます

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

2022年1月1日から定款認証手数料が引き下げ!

会社設立にあたっては、大きく分けて3つの実費がかかります。法務局への登録免許税、公証人への定款認証手数料、定款に貼る印紙代(電子定款の場合は不要)です。

このうち、公証人への定款認証手数料が2022年1月1日から引き下げられます。会社設立の費用を引き下げることで、起業を促すということが狙いです。

2021年までは株式会社の定款認証手数料は一律50,000円でしたが、2022年1月1日からは、以下の通りに一部引き下げが行われます。

定款に記載された資本金の額等 定款認証手数料
100万円未満 3万円
100万円以上300万円未満 4万円
300万円以上 5万円

資本金等の額が300万円未満の場合は定款認証手数料が引き下げになります。

具体的な定款認証手数料の判定方法

ここでいう資本金等の額は、定款に記載された金額で判断されます。ただし、資本金等の額は、定款の絶対的記載事項ではないため、定款によっては資本金等の額が記載されていないことがあります。そうした場合には、「設立に際して出資される財産の価額」で手数料を判断することになります。

なお、「資本金等の額」と書かれていますが、実際には資本金の額(資本準備金を含めない額)で金額を判断するようです。税務上の「資本金等の額」の定義と違っていますが、定款認証時には資本金だけで判断するということになっています。

ただし、財産の価額そのものではなく、最低額だけ定款に記載されている場合は、最終的な金額が判断できないため、認証手数料は5万円となります。(実務上は、会社設立時の出資額は確定額を定款に記載しますので、このケースに該当することは少ないと思われますが。)

ただし、資本金の額は創業融資など様々な面で影響します。定款認証手数料は気にせずに資本金の額を決めて、結果的に1万円(または2万円)得した程度に思っておいたほうが良いかもしれません。定款認証手数料を節約するために資本金を99万円にしました、みたいなことは避けたほうがよいような気がします。もちろんコストの節約は特に創業期は重要かもしれませんが、資本金の額は登記記録にも残りますし、あえて認証手数料の境目で資本金を設定することは、対外的なイメージもマイナスに働くときがあるかもしれません。

 

会社法 第27条 
会社の定款には、次に掲げる事項を記載し、又は記録しなければならない。

一 目的
二 商号
三 本店の所在地
四 設立に際して出資される財産の価額又はその最低額
五 発起人の氏名又は名称及び住所

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

関連記事

新着コラム

  1. 一夫多妻制の場合でも配偶者控除は増加しない一夫多妻制の国の方が日本で会社を設立するということ...
  2. 個人から法人への無償・低額での貸与に所得税や法人税の問題は生じない役員個人が所有している不動...
  3. 海外在住の役員が海外で支払った社会保険料は社会保険料控除の対象にならない海外在住の人が日本国...
  4. 事業目的の決め方のルール事業目的については、株式会社にせよ合同会社にせよ必ず決めなければなら...
  5. 「及び」と「並びに」の違いや使い分け会社の事業目的でよく出てくる言葉が「及び」と「並びに」で...
ダウンロードはこちら