コラム

登記する事業目的で使ってはいけないNGワードとは?法律以外の裏事情

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

事業目的の決め方のルール

事業目的については、株式会社にせよ合同会社にせよ必ず決めなければならない事項として会社法で決められています。

目的は必ず登記しなければいけませんが、その内容については会社法上もそれほど詳細には書かれていません。事業目的の定め方については、法律には書かれていませんが、一般的には以下のルールを守りましょうということになっています。

明確性 意味が明瞭で、一般の人が事業目的を読んでも意味が理解できること
適法性 事業目的の記載内容が法律や公序良俗に反していないこと
営利性 事業目的は利益をあげるための内容であること(「寄付」などは事業目的にならない)

これらのルールを守って事業目的を定めれば事業目的の登記は可能です。しかし、上記のルールを満たして登記しても、特定のワードを使用してしまったために、その後銀行口座開設などで支障が発生するケースがあります。こうした事業目的のNGワードに注意する必要があります。

事業目的のNGワード

事業目的のNGワードについては、実際には特定のリストがあるわけではないため、経験則になってしまいますが、一言でいえば「一般的な人のイメージで宗教的なものを連想してしまうワード」です。

例えば「スピリチュアル」、「霊魂」、「チャネリング」、「ヒーリング」などです。もちろんこうしたビジネスを行う人が自ら宗教だと思ってやっているわけではないと思います。ただし、一般的には宗教色を感じられて、株式会社や合同会社などの営利ビジネスを行って利益を生み出していくという性質と相いれません。そのため、会社名義での銀行口座の開設のときなどに支障が出る場合があります。

上記で列挙したワード以外にも宗教的・精神的な言葉はありますが、とにかくこうした「一般的に」宗教を連想させるようなワードは使わないことが重要です。こうした関係のビジネスを行う人にとっては、こだわりがある言葉かもしれませんが、そこは「セミナーの開催及び運営」のように一般的な言い回しにして事業目的を登記するようにしましょう。

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

関連記事

新着コラム

  1. 合同会社では、利益分配のほかに社員に対して払い戻す方法として、持分の払戻しと出資の払戻しがあります。
  2. 会社で社用車を固定資産として計上するには「車検証の名義が会社でなくてはいけない」ということが言われま...
  3. 定款のサンプルを見ていると、よくお金を表示する前に「金」という言葉が付いていることがあります。
  4. 株式の譲渡所得や配当所得を確定申告するとふるさと納税の限度額も上がる毎年年末になると、多くの...
  5. 合同会社は、株式会社のように不特定多数の株主からお金を集めるのではなく、出資者兼経営者である社員によ...
ダウンロードはこちら