事業目的を作成するときにお決まりの項目があります。
それが、「上記各号に附帯又は関連する一切の事業」といったものです。言い回しは定款によって多少の違いはあるにせよ、要するにこの項がいいたいこととしては何か関係しそうなことであればなんでもやってOKということです。決して適当な話ではなく、今では事業目的に具体性が求められていないため、とりあえずこの一文を入れておけば、許認可が絡むようなビジネスではなければ何でもやって問題ありません。
そこで、この「上記各号」というのがどこにあたるのかということなのですが、これは事業目的全般を指しています。
もし、1つの項にだけ関係させたいという場合には
1.飲食店の経営
2.前項に関するコンサルティング
のように、「前号」という言葉を用います。もし「前号に付帯する一切の事業」とすると、直前の1つの目的にのみ係る一切の事業というようになってしまうので最後は「上記各号」とします。
もし、2つ以上の項にかからせたい場合は、「前〇号」といった形で記載します。
1.飲食店の経営
2.雑貨店の経営
3.前2号に関するコンサルティング
ただ、この場合、見る人が誤解するケースもあります。人によっては「前2号」が2つ目(上記では「雑貨店の経営」)だけを指すと思ってしまうかもしれません。そのため、「第1号及び第2号に関するコンサルティング」のように具体的に号を指定したほうが望ましいです。
条、項、号の違い
ここで、定款などの法律文書の作成時の言葉の使い分けについても確認します。特に自分で定款を作成しようという場合にはこうしたマナーにも注意しておきましょう。
順番としては条、項、号の順になります。ただし、第1項については省略されるケースも多いです。定款でも、第1項は省略されるのが一般的です。
第2条
(第1項)当会社は、次の事業を行うことを目的とする。
第1号 飲食店の経営
第2号 上記各号に附帯又は関連する一切の事業
第〇条
この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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