会社を清算する場合、清算人と代表清算人というポジションが存在します。
清算人と代表清算人については以下のように定められています。
会社法
(清算株式会社の代表) 第483条 1.清算人は、清算株式会社を代表する。ただし、他に代表清算人(清算株式会社を代表する清算人をいう。以下同じ。)その他清算株式会社を代表する者を定めた場合は、この限りでない。 (清算持分会社の代表)
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上記のように、清算人は各自株式会社や合同会社を代表するけれど、もし代表清算人を定めた場合には、代表清算人が清算会社を代表するということになっています。
各自代表ではなく、代表清算人が必要とされるのは、主に清算手続きの迅速化と効率化が求められる場合です。特に、清算手続きの中で資産の売却や借入金の返済、その他債務の整理において迅速な意思決定が必要な場合には、代表清算人を置くことで単独での意思決定によって手続きを円滑に進めることが可能です。逆に清算人しかいない場合、全員が合意(または株式会社であれば清算人会の決議)した上で手続きを進めなければならないため、意思決定に時間がかかる可能性があります。
以下に簡単に清算人や代表清算人の役割をまとめました。
清算人の役割
清算人は、会社が解散した際にその資産や負債を整理し、残余資産を株主に分配する役割を担う機関です。
清算の手続きでは、まず解散の決議・決定が行われ、その後に清算手続きが始まります。清算人は、会社の財産の管理や売却、債権の回収、債務の弁済などを行い、最終的には会社の資産を処理して会社を消滅させるのが目的です。
会社が解散する際、株式会社では株主総会で清算人が選任されるケースが多いですが、会社の定款の定めや、特に定めがなければ取締役などが自動的に清算人になるケースもあります。清算人には、以下のような業務があります。
代表清算人の役割
代表清算人は、清算人が複数いる場合に、その中から選ばれて会社を代表する役割を担う清算人です。清算人が複数選任された場合、そのすべてが同等の権限を持つわけではなく、代表清算人が他の清算人を統括して清算手続きを進めます。代表清算人には、清算手続きの全体を指揮し、会社を外部に対して代表する権限が与えられます。
会社の規模が大きい場合や、処理する資産や債務が多い場合には、清算手続きが複雑になるため、複数の清算人が選ばれることが一般的です。この場合、効率的に手続きを進めるために代表清算人を置き、手続きの指揮と外部対応を一任することが多いです。
代表清算人の主な役割は以下の通りです。
項目 | 説明 |
---|---|
代表権の行使 | 会社を外部に対して代表し、契約の締結や法的手続きを行うこと |
他の清算人との調整 | 複数の清算人がいる場合、清算手続き全体の取りまとめと他の清算人との協力による手続きの円滑化 |
責任の明確化 | 代表清算人がいることで意思決定や責任の所在が明確になり、外部との交渉や手続きにおける一貫性の保持 |
清算人と代表清算人の違い
清算人と代表清算人の違いは、主にその役割の範囲と権限にあります。簡単にまとめると以下のようになります。
清算人 | 代表清算人 | |
---|---|---|
役割 | 会社の解散に伴う清算手続きを行い、財産管理や債権・債務の処理、財産分配などを担当 | 複数の清算人がいる場合に、会社を外部に代表し、清算手続き全体の指揮を執る |
権限 | 個々の清算人として清算業務を遂行 | 会社の代表権を持ち、外部との交渉や契約の締結を行う権限を有する |
必要性 | 清算手続きの開始にあたり必須 | 清算手続きを円滑に進めるための統括役として選任 |
選任方法 | 通常、株主総会で選任されるか、定款で規定されている人物が就任 | 清算人の中から選出 |
主な役割の違い | 清算業務の遂行(財産管理、債権・債務の処理、財産分配など) | 清算手続き全体の指揮、他の清算人との調整、意思決定の明確化と責任の所在の明確化 |
当事務所では、株式会社や合同会社の解散・清算手続きがスムーズに進むようにサポートを行っています。お気軽にご相談ください。
この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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