コラム

個人事業主の法人化による会社設立と消費税

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個人事業主の法人化に伴う消費税問題

個人事業主が法人化して会社設立する理由の一つとして、消費税の納税義務があります。消費税の納税義務の判定として、最も基本的なものが基準期間による判定です。基準期間とは、個人事業主の場合は2年前、例えば2022年であれば2020年を指します。そして、この基準期間中の課税売上高が1,000万円を超えた場合に消費税の納税義務が発生します。

しかし、もし個人事業主が会社を設立して法人化した場合は、この基準期間はリセットされます。個人事業主の法人化の場合、個人事業主がそのまま社長になって同じ事業を行うことになるケースがほとんどですが、法人と個人では別人格ですので、別の人が売り上げを上げたことになるのです。法人の場合は、基準期間は原則として2事業年度前の売上となりますが、設立して2年間は2事業年度前がないので、原則として免税事業者となります。法人化によって少なくとも2年間は消費税の納税義務を免除されることになります。

個人事業主のときの売上がいくらであろうと、法人化によって消費税の納税義務もリセットされることになります。

個人事業主の確定申告の期間は1月1日から12月31日と決まっています。そのため、法人化するのもキリよく1月からというケースも多いかもしれません。もちろん、所得税だけを考えれば、この決め方が最もスッキリしてよいでしょう。しかし、もし個人事業主として既に消費税の納税義務があるとしたら、別の視点から法人化の時期を考える必要があります。

それは、個人事業主が保有している固定資産を設立した会社に引き継ぐ点です。もし、消費税の納税義務がある状態、つまり課税事業者の状態で法人化すると、固定資産を引き継ぐ場合にも、その取引に消費税がかかってしまいます。個人事業主と設立した会社の代表者が同じだったとしても、別人格なので、固定資産も個人から法人に売却したことになるのです。そして、固定資産を売却した場合、課税事業者であれば消費税が課税されます。

特に飲食店のように固定資産を多く抱える業種ほど、この消費税問題は重要です。

それでは、売却以外の方法でなんとかならないか考えてみましょう。

まずは現物出資です。設立する会社に売却するのではなく、現物出資するということです。消費税では、現物出資で資産を会社に譲渡した場合も課税が行われる旨が規定されています。この場合は、取得した株式の時価が対価となります。そのため、現物出資の方法を採っても、資産の譲渡として消費税が課税されることになります。

 

法人化における固定遺産の移転時の消費税の課税を回避するには?

固定資産の設立した会社への譲渡において消費税を回避する方法としては、設立日をちょっと前倒しにして12月(もしくはそれ以前)にするという方法が考えられます。キリよく1月に法人化ということも、目的が確定申告を半端な期間で行わないということであれば、12月に設立したとしても、その目的は達成されます。

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

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