コラム

種類株主総会の決議を省略できない場合

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

種類株主総会の決議を省略できないケース

種類株式を発行する際に、「種類株主総会の決議を要しない旨の定め」ということで、会社法上、種類株主総会の決議が必要とされている事項について、種類株主総会の決議を経ることなく、通常の株主総会の決議だけで行う旨の条項を設けることがあります。(議決権制限株式

ベンチャー企業などでは、投資の段階に応じて、A種・B種・C種など複数の種類株式を発行することがあります。このような場合に、全ての種類株主総会を開催するとなると、非常に手間がかかります。

そこで、上記のような旨の定めを設けて、種類株主総会を開催せずに決議ができるようにするということです。

しかし、会社法では、以下の変更を行う際には、種類株主総会の決議を省略できない旨が定められています。

  • 株式の種類の追加
  • 株式の内容の変更
  • 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加

種類株主総会の決議を省略できないパターン1 株式の種類の追加

例えば、A種類株式を発行している株式会社が、新たにB種類株式を発行する場合には、A種類株式の内容として、種類株主総会の決議を要しない旨の定めがあったとしても、A種類株主総会の決議がないと、新たにB種類株式を発行できないということです。

 

種類株主総会の決議を省略できないパターン2 株式の内容の変更

すでに発行している種類株式の内容を変更する場合には、種類株主総会での決議が必須ということです。種類株主以外の株主も入った通常の株主総会だけで種類株式の内容を変更できるとなると、もし普通株主が大勢を占めていれば、普通株主の意向で種類株式の内容を変更できてしまいます。

こうしたことから、その種類株主だけでの決議も必要ということです。

 

種類株主総会の決議を省略できないパターン3 発行可能株式総数又は発行可能種類株式総数の増加

発行できる株式(普通株式や種類株式)の枠である発行可能株式総数の変更を行う場合には、種類株主総会が必要になります。

 

特に新たに種類株式を追加する際に、他の種類株主総会の開催を省略してしまうということがあります。種類株式にどれだけ決議省略の条項があっても、こうした場合には種類株主総会の決議が必要であるということです。

上記のパターンはいずれも登記の変更が伴うものです。当事務所でも、種類株式の発行の登記を始め、各種種類株式の登記を行っております。種類株式の発行の際には、ぜひ当事務所にご相談ください。

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

関連記事

新着コラム

  1. 取締役ごとに任期を変えることはできる特に中小企業においては、創業社長とその後に取締役に就任し...
  2. 責任限定契約とは?取締役をはじめとする株式会社の役員は、その職務の遂行にあたって会社に損害を...
  3. 事業目的における制作と製作の使い分け会社設立の際に必ず決めなければならないのが事業目的です。
  4. 取締役などの任期の伸長例えば、もともと2年などの期間で取締役の任期を設定していた株式会社が、...
  5. 顧問弁護士も監査役への就任が可能監査役の選任が必要になるケース、例えば取締役会を設置しようと...
ダウンロードはこちら