社外取締役とは?
社外取締役とは、言葉の響きからすると非常勤の取締役といったイメージがありますが、その定義は会社法で定められています。(定義は長いので後述します。)
社外取締役の設置が義務付けられるのは、特別取締役による議決の定めがある場合と、監査等委員会設置会社または指名委員会等設置会社である場合の2つのケースです。
この2つに該当しなければ、社外取締役に該当したとしてもその旨の登記は必要ありません。ほとんどの中小企業では特別取締役の定めもなく、委員会設置会社でもないため、社外取締役が必要かどうかということについてはまったく検討する必要はないといってよいでしょう。
社外取締役と非業務執行取締役の違い
社外取締役と似ている概念として非業務執行取締役というものがあります。非業務執行取締役とは、業務を執行する取締役以外の取締役をいいます。つまり、非常勤の取締役であれば非業務執行取締役として考えて差し支えありません。社外取締役は厳密に会社法で定義が決まっていますが、非業務執行取締役については社外取締役に比べて幅広くとらえてよいということになります。
言い換えれば、社外取締役は非業務執行取締役の中でも、会社法の定義を満たす取締役ということになります。
非業務執行取締役が話題に上るのは、責任限定契約を締結するときです。責任限定契約については、取締役については非業務執行取締役としか締結できないため、非業務執行取締役であるかどうかが重要になります。
参考:社外取締役の定義
会社法 第2条
15 社外取締役 株式会社の取締役であって、次に掲げる要件のいずれにも該当するものをいう。
イ 当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役(株式会社の第363条第一項各号に掲げる取締役及び当該株式会社の業務を執行したその他の取締役をいう。以下同じ。)若しくは執行役又は支配人その他の使用人(以下「業務執行取締役等」という。)でなく、かつ、その就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
ロ その就任の前10年内のいずれかの時において当該株式会社又はその子会社の取締役、会計参与(会計参与が法人であるときは、その職務を行うべき社員)又は監査役であったことがある者(業務執行取締役等であったことがあるものを除く。)にあっては、当該取締役、会計参与又は監査役への就任の前10年間当該株式会社又はその子会社の業務執行取締役等であったことがないこと。
ハ 当該株式会社の親会社等(自然人であるものに限る。)又は親会社等の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の使用人でないこと。
ニ 当該株式会社の親会社等の子会社等(当該株式会社及びその子会社を除く。)の業務執行取締役等でないこと。
ホ 当該株式会社の取締役若しくは執行役若しくは支配人その他の重要な使用人又は親会社等(自然人であるものに限る。)の配偶者又は二親等内の親族でないこと。
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この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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