
株式会社の決算書承認
全ての会社は少なくとも1年に1度の決算期を迎えます。作成された決算書は税金の申告書作成のために利用されたり、融資を受けているなら金融機関に提出されたりします。
この決算書は、ただ作成するだけではなく、会社法上「決算書の承認」というプロセスが必要となります。
会社法 第436条
第438条
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まとめると以下のようになります。(上場企業のように会計監査人の監査を受けている場合は株主総会の承認は不要です。)
取締役会 | 必要な承認 |
あり | 取締役会の承認+株主総会の承認 |
なし | 株主総会の承認 |
法人税の申告書や会計ソフトなどにも決算書の確定日を記入する欄がありますが、決算書の確定日とは上記の株主総会の承認があった日を記入します。
とはいえ、株主が1名だけの会社も数多くあります。このような会社ではもちろん定時株主総会を実際に開催することはないため、実務上は税理士とのやり取りで決算書の数字が固まり、決算書の数字を確定させた日をもって株主総会の承認日とするのが一般的です。
合同会社では決算書の承認プロセスは存在しない
合同会社では、決算書の承認手続きというものは株式会社と異なり、会社法上は定められていません。社員(業務執行社員がいれば業務執行社員)が決算書を作成し、内容を固めた時点で決算書が確定します。理屈的には所有と経営の分離がない合同会社においては、決算書の作成者と承認者が同じであるため承認というプロセスそのものが不要ということです。
ただし、定款で、たとえば「業務執行社員が決算書を作成して社員全員の承認を受けることで確定する」といったような定めを設けることは可能です。
この記事の執筆者

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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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