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会社の休眠とは?清算とはどう違う?

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会社の休眠とは?

世の中には、登記としては存在しているけど実際には稼働していない会社があります。こうした会社のことを「休眠会社」と呼ぶことがあります。

具体的には、以下のようなケースが休眠会社と呼ばれます。

・会社を設立したけど実際には稼働しなかったというケース

・営業していた会社が業績の悪化などで営業を止めるようなケース

特に、金融機関の借入金や未払金などの債務がなく継続取引している顧客がいなければ、営業を停止することは簡単ですし、実際にそうやって営業を停止する会社も多々あります。こうして、営業活動を行っていない会社を一般的に「休眠会社」といいます。

休眠と清算の違い

「休眠」するということは、簡単にいえば、「放置」することです。休眠という言葉自体は会社法の「休眠会社のみなし解散」のところで出てきますが、特に税法上には休眠といった概念は出てきません。結局、休眠というのは、法律的な「手続き」ではなく、放置されて活動していない会社の「状態」のことをいいます。休眠状態になっていることは登記もされません。

一方、清算は会社を法律的に消滅させるための「手続き」です。休眠は状態なので、実態として営業していなければ「この会社は休眠しています」と言えますが、清算の場合は、会社法に定められた、解散・清算の手続きを経て清算結了の登記を行い、清算による税務申告を行って、初めて「会社を清算しました」といえます。

休眠状態になる場合の手続き

会社が休眠状態であるということは、売上も発生しなくなるはずなので、利益も発生しない、つまり税金も発生しないということになります。ということは、法人税の申告も行う必要がなくなるというわけですが、前述の通り、休眠というのは営業をしていない状態であって、会社としては存続しています。

法律上の手続きである清算と違って、休眠は会社が放置された「状態」なので、会社の存在が消滅して、登記が閉鎖されるわけでもありません。そのため、休眠状態になったからといって何もしなければ、税務署や自治体にそのことも把握できませんので、申告書を提出すべき法人として記録されたままですし、郵便物も届いてしまいます。

そこで、税務署や自治体に休眠状態であることを知らせる必要があります。具体的には、異動届出書というものを提出して、会社が休眠状態である旨を知らせます。ただし、前述の通り、「休眠」というのは税法上の手続きではありませんので、備忘記録としては記録されますが、休眠状態にあるからといって、各種の税金関係の郵便物などは届き続けます。そのため、合わせて郵便物の発送を止めてもらうように異動届出書に記載しておきましょう。むしろ郵便物の発送ストップの届のほうが重要かもしれません。

ちなみに、期中で休眠状態になった場合、その期に利益が出ていれば申告は必要です。例えば、12月決算の会社で、8月に休眠状態になってその旨の届出書を税務署などに提出したとします。この場合は、8月までの業績をもとに税金の申告が必要です。「休眠しました」と届け出を出したからといって、申告がそれ以降不要になるわけではありません。

 

ただし、休眠は税法上の手続きではないため、決算月が前倒しになるわけではなく、12月のままです。さっさと税金の申告を済ませてスッキリしたいという場合は、事業年度の変更を行って期末を前倒しにする手続きも行うとよいでしょう。

 

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

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