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電気通信利用役務とは?外国の会社との取引で消費税の判断をするための重要ポイント

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電気通信利用役務とは?

いまでは、海外の会社からモノの輸入以外にさまざまなサービスの提供を受けることが一般的になりました。例えばfacebookなどに広告を出せば広告のための料金がかかりますし、Amazon社のAWSなどやアドビ社の各種ソフトウェアのサブスクなども海外の会社からのサービス提供です。このように大企業だけではなく中小企業でも外国の会社からサービスを受けることは一般的になりました。

こうした海外の会社からサービスを受ける際において、まず理解しなければいけないのが「電気通信利用役務」という概念です。

消費税では以下のように定められているため、まずは電気通信利用役務について理解をしなければ外国の会社とのサービス関係の取引の消費税の処理もできないということになります。

消費税法 第4条

国内において事業者が行つた資産の譲渡等(中略)及び特定仕入れ(事業として他の者から受けた特定資産の譲渡等をいう。以下この章において同じ。)には、この法律により、消費税を課する。
(中略)
3 電気通信利用役務の提供である場合 当該電気通信利用役務の提供を受ける者の住所若しくは居所(現在まで引き続いて1年以上居住する場所をいう。)又は本店若しくは主たる事務所の所在地

「電気通信利用役務の提供」は、簡単にまとめれば「インターネットなどオンラインで提供される各種サービス」のことをいいますが、具体例で見たほうが分かりやすいかもしれません。

「電気通信利用役務の提供」に該当する例 「電気通信利用役務の提供」に該当しない例
・ インターネット等を通じて行われる電子書籍・電子新聞・音楽・映像・ソフトウエア・ゲームなどの配信

・ 顧客にクラウド上のソフトウエアやデータベースを利用させるサービス(AWSやAzureなど)

・ 顧客に、クラウド上で顧客の電子データの保存を行う場所の提供を行うサービス

・ インターネット等を通じた広告の配信・掲載(facebook広告など)

・ インターネット上のショッピングサイト・オークションサイトへの商品の掲載料金等(ebayなど)

・ インターネット上でゲームソフト等を販売する場所を利用させるサービス

・インターネットを介して行う宿泊予約、飲食店予約サイトの宿泊施設、飲食店等を経営する事業者から掲載料等

・電話やメールなどによる継続的なコンサルティング

・ インターネットを介して行う英会話教室

・電話やメールなどによる継続的なコンサルティング

・電話、FAX、インターネット回線の利用など、他者間の情報伝達を単に媒介するだけのサービス

・ソフトウエアの制作等

・海外の事業者に依頼する情報の収集・分析等

・海外の弁護士などに依頼した海外での訴訟業務

上記の業務については、業務のやり取りがZoomなどのオンライン会議システムやメールなどのオンラインで行われたとしても「電気通信利用役務の提供」には該当しません。

 

見ての通りですが、ざっくりまとめると電気通信利用役務とは、基本的にはサブスクなど幅広い人に等質なサービスを提供しているようなものが該当します。逆にシステム開発など請負的なサービスのやり取りは相手が海外事業者でも該当しないということになります。

まずは上記の区分を理解したうえで、消費税の課税判断に移る必要があります。

海外事業者もインボイス制度の対象になる

インボイス制度の導入前は、消費者向けの電気通信利用役務については海外の事業者独自に「登録国外事業者」という制度があり、その登録の有無で消費税の課税判断をしていました。しかし、この制度はインボイス制度に吸収されましたので、インボイス制度導入後はインボイスの登録事業者かどうかで判断することになります。

そのため、消費者向けの電気通信利用役務について国外の事業者との取引で消費税を課税処理するかどうかは以下の2つのポイントで判断することになります。

1)インボイス制度に登録しているか
2)行った取引が国内取引に該当するかどうか

 

特に電気通信利用役務の課税判断は難しいので、顧問税理士などに確認しつつ納税額を確定する必要があります。

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

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