取締役などの任期の伸長
例えば、もともと2年などの期間で取締役の任期を設定していた株式会社が、定款を変更することで任期を伸長するということがあります。(非公開会社では、取締役の任期を10年まで伸ばすことができます。)
役員の任期を伸ばした場合は、在任中の役員については、そのまま伸ばしたあとの任期が適用されることになります。
任期の起算点は、株主総会の選任決議の時(会社設立時の取締役については会社設立日)となります。例えば、もともと任期を2年として設定していた株式会社で、10年に任期を伸長する決議を行った場合には以下のようになります。
2020年6月の定時株主総会で選任
2022年6月の定時株主総会で任期延長>退任しない
2030年6月の定時株主総会で任期満了による退任
役員の任期を変更する決議は定時株主総会以外で行っても問題ありません。臨時株主総会で役員の任期を変更した場合でも、選任時点から変更後の任期満了の時点までが1つの任期となります。
また、上記の例だと2年目の定時株主総会でいったん任期満了による改選を行ったのちに、任期を延長するということも可能です。この場合は、株主総会議事録上も、いったん改選を行ったあとに任期延長の定款変更を行ったことを明確にしておく必要があります。
取締役などの任期の短縮
役員の任期を短縮する定款変更を行った場合には、在任中の役員にも変更後の任期が適用されます。もし任期10年から5年に短縮した場合には、例えば7年目などの取締役は、定款変更時点で任期満了による退任となります。もともと設定していた任期前の退任となるので本人からすれば任期満了前に解任されたような感じになりますが、解任ではなく任期満了による退任として扱われます。
また、事業年度を変更した場合で、決算期が繰り上がることになれば、その数か月間だけは任期が短縮されることになります。例えば、もともと3月決算の会社が12月決算に変更すれば、定時株主総会の時期も3か月繰り上がります。そうなると、役員の任期も3か月間だけ早く満了するということになります。
この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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