コラム

非居住者への国内源泉所得の源泉徴収や課税方法まとめ

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非居住者への課税方法

非居住者とは、日本国内に住所がなく、かつ引き続き日本で居所を有する期間が1年未満の個人を言います。国籍は関係ありません。

非居住者に該当する場合、非居住者については、国内源泉所得に該当する所得にのみ日本国内で課税が行われます。さらに、非居住者が日本国内に恒久的施設(PE)を持っているかどうかによって、課税方法が異なります。

 

国内源泉所得の課税方法と源泉所得税率

具体的に国内源泉所得として非居住者に対して課税されるのは次の17種類の所得です。恒久的施設があれば居住者と同様に総合課税が行われますが、恒久的施設がない場合は、非居住者が国内で確定申告を行うことは現実的ではありません。そのため、恒久的施設を有しない非居住者については、ほとんどが源泉分離課税の方式が採られています。

内容 恒久的施設 源泉所得税率
  あり なし
  恒久的施設に帰属する所得 それ以外の所得
国内にある資産の運用または保有により生ずる所得 総合課税 総合課税 総合課税 なし
国内にある資産の譲渡により生ずる所得 総合課税 総合課税 なし
組合契約等に基づいて恒久的施設を通じて行う事業から生ずる利益で、その組合契約に基づいて配分を受けるもののうち一定のもの 課税しない 課税しない 20%
国内にある土地、土地の上に存する権利、建物および建物の附属設備または構築物の譲渡による対価 総合課税 総合課税 10%
国内で行う人的役務の提供を事業とする者の、その人的役務の提供に係る対価 20%
国内にある不動産や不動産の上に存する権利等の貸付けにより受け取る対価 20%
日本の国債、地方債、内国法人の発行した社債の利子、外国法人が発行する債券の利子のうち恒久的施設を通じて行う事業に係るもの、国内の営業所に預けられた預貯金の利子等 源泉分離課税 源泉分離課税 15%
内国法人から受ける剰余金の配当、利益の配当、剰余金の分配等 20%
国内で業務を行う者に貸し付けた貸付金の利子で国内業務に係るもの 20%
国内で業務を行う者から受ける工業所有権等の使用料、またはその譲渡の対価、著作権の使用料またはその譲渡の対価、機械装置等の使用料で国内業務に係るもの 20%
給与、賞与、人的役務の提供に対する報酬のうち国内において行う勤務、人的役務の提供に基因するもの、公的年金、退職手当等のうち居住者期間に行った勤務等に基因するもの 20%
国内で行う事業の広告宣伝のための賞金品 20%
国内にある営業所等を通じて締結した保険契約等に基づく年金等 20%
国内にある営業所等が受け入れた定期積金の給付補てん金等 15%
国内において事業を行う者に対する出資につき、匿名組合契約等に基づく利益の分配 20%
その他の国内源泉所得 なし

ちなみに、非居住者は国内に住所を有しないため、住民税の課税は対象外です。

租税特別措置法によって源泉所得税が免除されることもある

上記の源泉所得税率は原則的なものですが、国同士で租税条約を締結している場合は、その条約内で源泉所得税を全額または一部免除するということが定められていることがあります。

その場合は、所定の届出書をあらかじめ税務署に提出しておくことで、源泉所得税を免除することができます。例えば、海外在住の個人事業主(非居住者)が日本国内でセミナーを実施した場合に、本来であれば20%の源泉所得税を引くことが必要ですが、租税条約の届け出を行うことで免除となるといった形です。

租税条約の内容は国によって異なりますので、もし海外在住の人が日本国内で事業を行う場合には、租税条約の内容も確認しておきましょう。

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

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