議決権制限株式とは?

議決権制限株式とは?

議決権制限株式とは、議決権の行使について、他の株式と異なる定めをした株式をいいます。

議決権の制限は、株主総会においてすべての議決権を制限する方法のほか、一定の事項のみ議決権を与える方法があります。また、通常の株主総会のほかに、種類株主総会でも議決権を与えないとする場合(種類株主総会の開催を不要にする)には、別途定めが必要となります。

定款の定めの例

第〇条 甲種類株式を有する株主は、株主総会において議決権を行使することができない。

2 甲種類株主は、甲種類株主を構成員をする種類株主総会において議決権を行使することができない。

ただし、どれだけ種類株主の議決権を制限した場合であっても、一定の事項については必ず種類株主総会の決議が必要となります。

公開会社での議決権制限株式の制約

公開会社では、議決権制限株式の数が発行済み株式総数の2分の1を超えた場合は、直ちに議決権制限株式の数を発行済み株式総数の2分の1以下にするための措置を取る必要があります。

非公開会社では株主との個別契約により議決権を制限できる

議決権制限株式の場合、種類株式を保有する全員が議決権を制限されます。非公開会社においては、このような種類株式の形ではなく、株主と個別に契約することで議決権を制限するといったことが可能となります。閉鎖的な株主構成である非公開会社ならではの規定です。

会社法第109条
1.株式会社は、株主を、その有する株式の内容及び数に応じて、平等に取り扱わなければならない。
2.前項の規定にかかわらず、公開会社でない株式会社は、第105条第1項各号に掲げる権利に関する事項について、株主ごとに異なる取扱いを行う旨を定款で定めることができる。

「会社法第105条第1項各号に掲げる権利」とは、
1)剰余金の配当を受ける権利
2)残余財産の分配を受ける権利
3)株主総会における議決権
の3つです。

会社設立時などで外部から出資を受ける場合で、特定の株主の議決権だけを制限したいという場合には、種類株式を発行するのではなく、個別の契約により議決権を制限する方法のほうが柔軟な対応が可能となりますのでおススメです。ただし、この方法を採るときはその旨を定款で定めておく必要があります。

 

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