コラム

海外在住や外国法人の発起人が振り込める金融機関の種類

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資本金払い込み先は日本の銀行のみ

株式会社で発起設立をする場合、各発起人は発起人名義の口座に出資金を払い込む必要があります。

このときにもし海外在住の方や海外法人で日本に銀行口座を持っていない者が発起人の場合は少々ややこしくなります。

発起設立において払い込みが認められているのは以下の金融機関です。

会社法 第34条
  1. (中略)
  2. 前項の規定による払込みは、発起人が定めた銀行等(銀行(中略)、信託会社(中略)その他これに準ずるものとして法務省令で定めるものをいう。)の払込みの取扱いの場所においてしなければならない。

会社法施行規則 第7条

法第34条第2項 に規定する法務省令で定めるものは、次に掲げるものとする。

一 株式会社商工組合中央金庫
二 農業協同組合法 (昭和22年法律第132号)第10条第1項第三号 の事業を行う農業協同組合又は農業協同組合連合会
三 水産業協同組合法 (昭和23年法律第242号)第11条第1項第四号 、第87条第1項第四号、第93条第1項第二号又は第97条第1項第二号の事業を行う漁業協同組合、漁業協同組合連合会、水産加工業協同組合又は水産加工業協同組合連合会
四 信用協同組合又は中小企業等協同組合法 (昭和24年法律第181号)第9条の9第1項第一号 の事業を行う協同組合連合会
五 信用金庫又は信用金庫連合会
六 労働金庫又は労働金庫連合会
七 農林中央金庫

銀行等には外国銀行の日本支店を含みますが、外国銀行の外国での支店は含まれません。

つまり、海外の人が発起人になる場合、以下のいずれかの金融機関の口座を保有していないといけないということになります。

1)日本の金融機関の国内外の店舗の口座
2)外国の金融機関の日本支店における口座

設立時代表取締役の個人名義口座でも代用可能

日本に住んでいた人であれば、日本の金融機関の口座を保有しているかもしれません。しかし、一度も日本に住んだことがない発起人や、海外法人が発起人になる場合には日本の金融機関の口座を保有していないということはあり得ます。

その場合には設立時の代表取締役の個人名義の口座で出資金を受け入れることもできます。発起人が口座を保有していなくても、設立時代表取締役が口座を保有していれば、その口座に出資金を入金することで会社設立手続きを取ることができます。

ただし、本来発起人口座に入金すべき出資金を設立時代表取締役名義の口座に入金するわけなので、発起人から設立時代表取締役への出資金の代理受領に関する委任状が必要となります。

この場合で、設立時代表取締役も外国の人で日本の金融機関の口座を保有していないという場合に、第三者(例えば日本の協力者)名義の口座に受け入れることができるのでしょうか?それはNGです。出資金は設立後の会社の元手になるため、発起人や設立時代表取締役以外の第三者が出資金を受け入れることは設立後の会社の安全性を阻害するため認められません。

発起人、設立時代表取締役のだれもが日本に口座を持っていないというようなケースでは、発起人として日本に銀行口座を持っている人を加えるか、設立時代表取締役として日本に銀行口座を持っている人に就任してもらうかという対応が必要となります。

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

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