融資型クラウドファンディングとは、インターネットを通じてクラウドファンディング事業者が個人投資家から少額ずつ資金を集めて、その資金をもとに事業者が融資を受ける仕組みで、ソーシャルレンディングとも呼ばれています。個人投資家は投資の見返りとして、起業家がクラウドファンディング事業者に支払う利息の一部が分配されます。購入型の対価がモノやサービスだったのに対して、融資型の対価はまさにカネです。購入型がサービスを資金の出し手と直接やり取りする形をとる一方、融資型は間にクラウドファンディング業者が介在するため、共感などよりも、見返りがいくらかといった点がより重視されます。
融資型クラウドファンディングは、金額によっては担保が必要となる場合があり、金利も通常の融資に比べて高いケースが多いため、起業当初の資金調達手段としては現実的ではないかもしれません。利用した場合には通常の金融機関以上に返済の確実性が重要視されます。返済が滞れば、一般投資家への分配金の支払いもできなくなってしまい、クラウドファンディング事業者の信用もなくなってしまうため、当然と言えば当然です。
収益が見えない中で、融資型のクラウドファンディングを利用することは、クラウドファンディング事業者にとっても大きなリスクであり、実際利用できる可能性としては限りなく低いといえます。また、現状では、融資型クラウドファンディングを行うにあたっての許認可要件が厳しく(貸金業登録、第二種金融商品取引業登録が必要)参入が進んでいないのが現実です。
やはり、起業当初は自己資金と創業融資という2本立てで始めて、ある程度事業に収益が上がることが分かってきて初めて融資型のクラウドファンディングの利用を検討するべきです。