会社を設立する際に、取締役会を設置すべきかどうかということを聞かれることがあります。まずは取締役会とは何か、ということから見ていきましょう。
取締役会の役割としては、取締役の業務執行の監督や、代表取締役の選定や解職などがあります。それでは、どのくらいの会社が設立時に取締役会を設置するのでしょうか?
結論から言えば、ほとんどの会社では設立段階では取締役会の設置は行われません。まず、取締役会の設置には、取締役3名以上と監査役1名以上が必要です。会社法によって、取締役1名以上で会社設立が可能となったため、今ではあえて人数を集めて名目的な取締役に就任してもらうという苦労をしなくてもよいのです。実際にも、取締役会について聞いてくる場合は、旧法時代の記憶がある方がほとんどです。
また、実務上も、株主兼経営者であることが多い会社では、あえて取締役会を設置して株主総会と役割を分けるといったことをする必要性がありません。仲間が3人以上で会社を設立する場合でも、必要はないでしょう。取締役会の設置は、日常の経営にタッチしない株主が増えてきた段階で設置を検討すべきでしょう。
ちなみに、公開会社、つまり株式のすべてに譲渡制限がない会社については取締役会の設置が義務付けられています。上場会社はすべて公開会社です。上場会社のように多くの社外株主がいる場合は、株主に代わって経営者の業務を監視して、会社の価値を守る存在が必要となります。そのため、監視する組織として取締役会の設置が必要なのです。
また、公開会社以外の会社でも取締役会を設置することは可能です。取締役会を設置するには、定款にその旨を記載する必要があります。
会社法 第326条 株式会社には、一人又は二人以上の取締役を置かなければならない。 2 株式会社は、定款の定めによって、取締役会、会計参与、監査役、監査役会、会計監査人、監査等委員会又は指名委員会等を置くことができる。
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