コラム

支店所在地での登記が廃止されました

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

支店所在地での登記がすべて廃止されました

2022年9月1日から、支店を設置した場合や支店の移転、廃止など支店の所在地における登記が廃止されました。

廃止される前は、本店の所在地で支店の登記を行ったうえで、支店の所在地でも支店設置や移転、廃止などの 登記が必要でした。しかし、この支店関係の登記は本店所在地でも内容が確認できるため、あえて支店所在地でも登記をする必要があるのかという疑問がありました。

もともと登記記録が電子化される前であれば、支店の状況を確認するのに支店所在地の法務局で登記記録を確認することによるメリットがあったかもしれません。しかし、今や登記記録はすべて電子化されています。支店のことは本店所在地での登記事項証明書を取得すれば確認できますし、さらに支店に支配人を設置していても本店所在地での登記記録にしか記録できないことを考えると、あえて支店の登記記録を取得するよりも本店での登記記録を取得しておけば十分です。「大は小を兼ねる」ということでしょうか。

支店所在地での登記には1回につき9,000円の登録免許税がかかるということもあり、今回の廃止によって、支店を設置した場合のコストや手間が少なくなるということになります。

本店所在地での支店関係の登記は変わらず必要

支店所在地での支店登記が廃止になったため、支店について確認できるのは本店所在地での登記記録のみとなります。そのため、従来と変わらず本店所在地での支店登記は必要となります。

支店関係の登記には、以下の3パターンがあります。

登記の種類 登録免許税
支店設置の登記 6万円
支店移転の登記 3万円
支店廃止の登記 3万円

ちなみに、支店に支配人を設置した場合でも支店登記の区分に支配人は登記されません。支配人を設置した支店の住所は支配人の区分に記録されることになります。

この記事の執筆者

渋田貴正
渋田貴正
V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

関連記事

新着コラム

  1. 海外で登記された会社が日本で継続的にビジネスを行うには、日本で外国会社の登記が必要となります。
  2. 外国会社の登記に特有の登記事項海外で登記された会社が日本で継続してビジネスを行うには、日本で...
  3. 合同会社で官報公告を行う場合の公告や催告書には決算書の特定が不要合同会社で資本金を減少する場...
  4. 合同会社の減資時の債権者保護手続き2パターン合同会社が債権者保護手続きを行う場合、その債権者...
  5. 税法においては、国内に住所を有するか否かは,客観的事実により判定するとととされています。
ダウンロードはこちら