FXトレード会社の設立の理由
FXトレードを行っている人の中には、年間億単位で稼いでいる人がいます。さすがにここまででなくても、数千万円稼いでいる人はある程度いるでしょう。もちろんこれだけ稼ぐには、プロのトレーダーとして日々相場と向き合う強い精神力が必要となります。
そして、FXで稼ぐと、もし個人でトレードしているとなると法人化を検討する段階になります。具体的には、1,000万円を超えるような利益をコンスタントに稼ぐことができるのであれば、法人化をオススメします。
個人でFXの利益を確定申告する場合は、20.315%(所得税15.315%+住民税5%)の税金がかかります。所得区分は雑所得です。
一方で、法人でFXの売上を立てる場合には、おおよそ23%~33%程度の税率となります。
「あれ、単純に税率を比較すれば個人のほうが得じゃないか?」と思うかもしれませんが、話はそう単純ではありません。法人では、個人に比べて、経費として算入できる範囲が広いのです。
法人口座であれば、ハイレバレッジ取引が可能
経費の範囲だけの話であれば、節税の観点から個人事業主と法人のどちらが得か、ということを議論するときと同じことになります。しかし、FXについては、法人化ならではのポイントがあります。それはハイレバレッジ取引です。個人であれば、最大25倍のレバレッジでの取引となりますが、法人口座であれば、証拠金の金額次第で25倍を超えるレバレッジでの取引が可能となります。
レバレッジが100倍となれば、100万円の元手で1億円の取引が可能ということです。もちろん値動き次第で大きく損失が発生する可能性もありますが、法人のほうが個人よりも一層「当たればデカい」取引が可能ということです。
法人であれば、FX以外のビジネスも可能
FXのための法人といっても、それは設立した本人の中での話です。FXをやりつつ、同じ法人で飲食店などを経営することも可能です。FX専業で行くこともあれば、それ以外のビジネスも手掛けるということも社長次第ということです。もし、FX以外のビジネスが赤字であれば、FXの黒字を相殺して法人の利益を計算することになります。この点も、個人はFXの利益が申告分離課税となっていることと異なる点です。
FXのための法人は合同会社が多い
FXのために会社設立する場合の目的は、ハイレバレッジ取引と節税です。第三者から資金を集めてビジネスを大きくしよう、というわけではなく、個人で取引していたFXをそのまま延長して、個人の時と同じように自分の世界でやっていきたいという人が多いでしょう。そうしたケースでは、まさに合同会社での設立が適しています。設立の初期コストも抑えられますし、FXのために会社設立するなら、合同会社での設立を検討してみてはいかがでしょうか?
税理士・司法書士 渋田 貴正
この記事の執筆者
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V-Spiritsグループ 税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。
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