税理士・司法書士・社労士の渋田　貴正です。
平成30年10月からの最低賃金が決まりました。飲食店など店舗系のクライアント様が多い弊社としても非常に重要なポイントです。

東京都は過去最高の985円、続く神奈川県は983円です。
先日まで、東京都でも時給960円（最低賃金は958円）でアルバイト募集の張り紙をよく見かけましたが、今度は端数を切り上げるなら990円ということになります。2003年ごろは最低賃金といっても東京都で700円台半ばだったため、そんな時給で募集をかけても誰もアルバイトに来ないというくらい、最低賃金なんて気にも留まらないようなものでした。

そんな最低賃金が、個人経営の飲食店など小規模な店舗では、いまや時給を決めるベースになっています。毎年最低賃金が上がるたびにアルバイトの時給も上がるという状況がここ数年続いています。

飲食店など店舗を構える商売で会社を設立しようとする場合には、ますます労務費管理が重要になってきます。もし最低賃金付近で時給を設定しようとしている場合は、商品の価格を決める際には最低賃金プラス30円くらいの人件費を見込んで設定しておく必要があるでしょう。物価が上がりづらくなっている今、消費を増やすためにも最低賃金の上昇は数年は続くと考えられます。そのため、人件費についても、ある程度の上昇を見越しておく必要があります。物価以上に最低賃金が上昇するということは、仕入れの金額以上に、労務費の上昇がインパクトを持つことになるのです。

特に居酒屋など単品の価格が安く、注文される商品数で勝負という業態については、消費者も値段アップに敏感です。最初の値決めが肝心です。

【全国の最低賃金】

この記事の執筆者

渋田貴正

V-Spiritsグループ　税理士・司法書士・社会保険労務士・行政書士
税務顧問・社労士顧問のほか、会社設立登記や会社変更の登記などの実務を幅広くを担当。その他各種サイトや書籍の執筆活動も展開中。

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